2025/08/18 11:06
ロイヤルドルトン ― 英国陶磁器を代表するブランドの物語
■ ブランドのはじまり
ロイヤルドルトン(Royal Doulton)は、1815年にイギリス・ロンドン郊外のランベスで創業しました。
創業者ジョン・ドルトンは、もともと石器や家庭用陶器を製造していましたが、その品質の高さから次第に評価を得て、19世紀後半には英国陶磁器の名門へと成長していきます。
ヴィクトリア朝時代、イギリスではティータイムの文化が広がり、紅茶を楽しむための美しい器が求められるようになりました。ドルトン社はこの流れを巧みにとらえ、機能性と芸術性を兼ね備えた食器を次々と世に送り出したのです。
■ ロイヤルの称号
特筆すべきは、1901年にエドワード7世から「Royal(ロイヤル)」の称号を授かったこと。
これにより「Royal Doulton」として知られるようになり、王室御用達ブランドの一つとして世界的な地位を確立しました。
この称号は単なる名誉にとどまらず、英国のライフスタイルや美意識を体現するブランドとしての信頼の証でもあります。
■ 特徴 ― デザインの多様性
ロイヤルドルトンの魅力は、時代に合わせて柔軟に変化しつつも「英国らしさ」を常に保っている点にあります。
クラシックなシリーズ
金彩や花柄をあしらった、格式あるティーセット。格式あるホテルや貴族の邸宅でも愛用されました。
モダンなデザイン
20世紀後半には、よりシンプルで洗練されたラインも登場。日常使いしやすいデザインが人気を博しました。
フィギュリン(陶器人形)
ロイヤルドルトンといえば忘れてはならないのが、陶器製のフィギュリン。英国の伝統衣装をまとった女性像や童話をテーマにした作品は、芸術品としても高く評価されています。
このように、伝統と革新の両輪で展開してきたのがロイヤルドルトンの大きな特徴です。
■ ブランドの魅力と価値
ロイヤルドルトンは200年以上の歴史の中で数えきれないほどのシリーズを生み出してきました。現在では廃盤となったものも多く、それらはヴィンテージ品・アンティーク品として高い人気を誇ります。
価値を感じるポイントは大きく3つ。
歴史的背景:英国のティータイム文化とともに歩んできたブランドストーリー。
デザイン性:クラシックからモダンまで、多彩で洗練された意匠。
コレクション性:廃盤シリーズや限定生産品は希少性が高く、コレクター市場での需要も大きい。
ロイヤルドルトンの器を手にすることは、単なる食器を所有する以上に「英国文化を受け継ぐ」ことでもあるのです。
■ 現代のロイヤルドルトン
21世紀に入ってからは、他ブランドとの統合やリブランディングを経て、より現代的なデザインを打ち出しています。
ただし、その根底にある「英国の美意識とクラフツマンシップを器に込める」という精神は変わりません。
日常使いしやすいシンプルなシリーズから、コレクション向けの芸術的な作品まで、幅広い層に支持され続けています。
■ おわりに
ロイヤルドルトンは、英国陶磁器の歴史を語る上で欠かせない存在。
ティーカップひとつをとっても、そこには200年を超える技と美意識が息づいています。
普段のお茶の時間に、ロイヤルドルトンの器を添えてみてはいかがでしょうか。
その瞬間から、日常に「英国の物語」が流れ込み、少し特別な時間が始まるはずです。
👉 店舗URLはこちら